森 健一
もり けんいち
MORI Kenichi
 
1938-
東京都大田区生まれ。
東芝が初めて商品化に成功した日本語ワードプロセッサ(ワープロ)の開発責任者。

経歴と業績

 1962年、東京大学工学部応用物理学科を卒業。東京芝浦電気(現在の東芝)に入社。同社総合研究所で、「磁気薄膜メモリー」を研究テーマとする。翌年から「文字読み取りの研究」に徐々に移行、早くも1963年暮れに手書き文字に関する特許を出願、1964年には初歩的なデモンストレーションにも成功する。1967年3月、郵政省からの委託開発である「自動手書き郵便番号読み取り装置」の開発に成功、この業績に対し、1970年に特許庁長官賞、大河内記念技術賞が授与された。
 ワープロ開発のきっかけは新聞社、とくに記者のニーズであったが、最初の試作機は失敗。森らは開発の方針を根本的に見直し、製品の基本コンセプトを(1)手書きより速く、(2)持ち運びができ、(3)どこからでもアクセスして検索可能、であることに絞る。かな漢字変換方式を採用、ワープロ用に実用的な辞書を作成し、1978年9月、わが国初の商品化したワープロ「JW-10」を発表する。価格は630万円、重さは220kgであった。
(写真:宮尾飛古氏撮影)